太陽のあたる部屋

□お悩み相談
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コンコン……


部屋のドアがノックされる。おれは魔王専用プライベートルームにとある人物を呼び出していた。


「どうぞ入って!」


その人物とは………


「失礼しますよ〜っと。坊っちゃん、一体何なんです?話したい事があるって」


「ああっ、ヨザック、忙しいところごめんな。ちょっとこっち来てここ座って」


おれが呼び出したのはオレンジ頭のお庭番ヨザック。すぐに彼を部屋に迎え入れ、ソファに座らせた。そしておれもすぐに彼の向かいの椅子に座り、話を切り出す。


「あのさ、ちょっとヨザックに相談したい事があって………おれの話、聞いてくれる?」


「え〜ぇ、もちろん。オレなんかでよければ坊っちゃんのおっしゃる事ならな〜んでもお聞きしますよ〜。…でも、相談事でしたらオレなんかよりも、隊長の方が頼りになるんじゃないですか?猊下だって。いつもはそうなんでしょう?」


「そうなんだけど………でもこれはヨザにしか相談できないことなんだ……」


そう、ヨザの言う通り相談事はいつもコンラッドか、たまにだが村田にしている。でも今回の悩みはどうしても二人には言えない事なんだ……


おれの言葉を受け、ヨザが驚いたような顔をしていた。無理もないか…ヨザに相談なんて初めてだし…もしかして迷惑だったかな……


「まあ、そう暗い顔をしないで下さいよ。坊っちゃんに頼られるなんて嬉しい事ですし。で、何です?オレにしか話せない相談って」


どうやらおれは無意識のうちに沈んだ顔をしていたらしい。気がつけば顔もうつむいていた。
しかし、ヨザが明るい声でおれの相談を受けてくれるようで、今までの不安な気持ちはなくなり、おれは顔を上げ、ヨザックをしっかりと見ながら言葉を口にした。


「あっ、あのさ……ヨザは知っているよね、おれとコンラッドが付き合っているっていうこと……」


「えぇ、二人を見ていればすぐにわかりますよ。しかもオレが坊っちゃんの近くに行くだけでも隊長が凄い目でオレを睨んできますから」


コ、コンラッドってばヨザにそんなこんなことを………


ヨザから聞かされたことに、おれの顔が赤く染まったのを感じた。感じた羞恥を払いのけ、おれはまた話を続ける。
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