キース受け小説01
□Whiteday with Grave.(※)
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3月14日、ホワイトデーと呼ばれるその日は特に男性陣が浮き足立つ日だ。それは覚悟していた次期国家主席だが、やはり実際に大勢の男性に絡まれては仕事にならなくなっていた。
「アニアン、今日はわしと過ごさんかね?」
「いいや、わしのほうがアニアンの好みだろう…?」
「いやいや、私の方が…」
デスクワーク中いきなり大人数で部屋に入ってこられ、一人一人持ち寄ったホワイトデーの贈り物を披露しながらキースを口説き落とそうとしているのは、体裁ををわきまえない元老達ばかり。そうでなくとも既に国家騎士団を始め、多数の部下やあるいはミュウ一同からも同じように詰め寄られていたのだが、特に元老院の人間ともなるとふてぶてしさも一層増しており、部屋から追い出すことすらままならない。
「見たまえアニアン、これはお前のために作らせたナース服だぞ?」
「何を言うか、こちらはメイド服もある。アニアンはこちらを着るべきだろう?」
「要りません!仕事の邪魔です、早く出て行っていただけますか」
もはや何度言ったか分からない台詞。しかし元老たちはひるみもせず、延々昼間から『行為』の誘いをかけてくるばかりで。いっそ別所で演習中のマツカやセルジュを呼んでこいつらをつまみ出してもらおうかと思っていると、急に左右背後から手が伸びてきて驚愕する。