キース受け小説01
□あにゃんかっかのばれんたいん。(※)
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「あの、閣下」
「何にゃ?マツカ」
「それ、誘ってるんですか」
愛する上司が自室から現れるなり、部下はその愛らしい姿に身悶えしそうになっていた。それというのも、今のキースが身に纏っているのは典型的なメイド服。ただでさえそれに猫耳と尻尾が付いているというのに、さらに可愛らしい鈴付きの首輪まで付けて出てきたのだ。
「こ…この服はスウェナに貰ったのにゃ!…その…これを着ていれば…サムが喜ぶと…言われて…」
段々小さくなる語尾と恥ずかしそうにして顔を逸らす仕草がまた可愛らしく、ふと下に目をやれば足にはいつものニーハイブーツ。
「キース、この際生足でも良いのでは?」
「にゃっ…イヤにゃ!そんにゃの恥ずかしいにゃんっ!」
怒っているのだろうが、今の上司には常に語尾に『にゃ』や『にゃん』といった言葉が付いてしまう為、何を言っても可愛らしいだけ。そもそもメイド服を素直に着ている時点で恥ずかしいも何もないような…という言葉を飲み込んで、マツカは「それじゃ行きましょうか」と促した。
そう、今日はバレンタインデーということでキースは部下のマツカにチョコの小袋が詰まったカゴを持たせ、要人へチョコ配りに行くのだ。