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□【早森】指先からの想い
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「もっやまさん」
指が触れる
頬に額に首に、指先だけ触れていく
まるでオレの存在を確かめるように
「何?」
「もっやまさんはさ」
優しいよね、なんてオレに似合わない言葉
優しいわけない、こんなにこいつの事を苦しめているというのに
「何処が?」
「オ(レ)に気を使ってっ」
気付いてた事実に驚く
気付かないわけないじゃん、とか言われてしまう
「もっやまさんの事はオ(レ)が一番わかってっし」
「早川…?」
「もっやまさん、もっと我が儘言ってよ」
触れてた指が頬で止まる
そのまま引きつけられる唇
「年下だけど、何でもすっし」
「……何でも?」
「うん、何でも」
触れられてた指を奪って
今度はオレが触れる番
「なら傍にいてくれよ」
ずっとずっと、離さないでよ
指先からの想い
(あとは二人、引き寄せられるままに)