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□love mail
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私の日課は毎日のメール交換
遠くに住んでいて中々会えない彼氏との些細なやり取り
これが私のその日一日のエネルギーになっている
朝は『おはよう』から始まって、夜は『おやすみ』で終わる
一通一通が大事で大切で宝物


「………………気持ち悪い」


学校でメールを見ていたら友人にぐさっと言われてしまった
素直なところが好きなこの友人だけれども、心に深く突き刺さる一言


「ひ、酷い…!!」
「顔がにやけすぎ。また例の彼氏?」
「そりゃ、もちろん!」
「毎日メールしてて飽きない?」


そう言われてふと考えてみた
毎日毎日、一日も欠かさずに約1年間のメールのやり取りを思い出して


「飽きない」
「…………さいですか」
「だって普通ならばこのメールのやり取りは顔を見て話すものだよ?」
「あぁ、遠距離だからこそのメール」
「そうそう、会話の代わりにメール」
「ならば電話すれば良いんじゃないの?」


まぁ、そう思うのは至極当然な反応でありまして
普通に考えたらメールよりも直接声を聞きたい!って人が多いと思うのだけれども
それも考えるのは普通の一般的な恋人同士の考え方


「チチチッ、甘いなー少女!」
「何がよ」
「声を聞いたら余計に会いたくなるのが遠距離恋愛!!」
「メールは?」
「愛しさは募るけれども衝動をどうにか抑えきれるぐらい」
「………そう」
「ただ、抑えきれなくて何度か学校サボって向こうに行っちゃったけどね☆」
「って、ダメじゃないのそれ!!」


そう言われましても抑え切れなかったものはしょうがないじゃない!
しかも普段何気ない普通の些細なやり取りの中に向こうはとてつもない爆弾を仕掛けてくるんだから


「だってさー……って、およ?」
「……どうしたの?」
「メール来た」
「彼氏?」
「そうかれ………!!?」


メールを開いて思わず机に倒れこんでしまった
その様子に友人はビックリした反応を見せているけれども
そんなものに構っていられないほど私も動揺してしまった


「な、何があったの?!」
「……………ば、爆弾が」
「は?爆弾?」


簡素なメール画面にはさっき私が送ったメールの返信と
最後にほんと些細な、それが当たり前な事かのように付け加えられた言葉















love mail
("愛してる"だなんて唐突に言われたら照れるじゃない…!)











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