◇ガンダムSEED+運命+00◇
□†prisoner†
1ページ/2ページ
―掴んだその腕は思いの外華奢で…
想像との差に密かに戸惑った―
†prisoner†
事の始まりはまさに偶然によるものだった。
偶然、MSに乗っていたのがオーブのアスハで。
偶然、あいつを送り届けていったオーブで出会った。
あの、俺の家族を殺したMSのパイロットに。
―殺したかった。
衝動的に掴んだ腕があんなに細くなければ…殺せたのに…。
「おい」
薄暗い室内にモゾリと動くものがいる。
―俺が連れ帰ってしまった、憎い仇。
「…シン、」
俺の姿をみると儚げにふわりと笑った。
―なんで笑ってられる?
お前の自由を奪っている俺に。
「あんた、なんで笑ってられるんだよっ!?ここに連れてきたときだって怒りもしないで…!」
激昂して叫ぶ俺にこいつは穏やかに、少し困った風に微笑むだけで。
「それで償ってるつもりなのか!?」