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□†貴方の傍は†
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‡貴方の傍はー@‡


「―君はまるで太陽のようだ。」

柔らかな微笑みを浮かべながら、突然貴方はそう言った。
「…何故ですか?」

唐突なその言葉に、ジョミーは不思議な顔をブルーに向けた。
金色に輝くこの髪を見て言ったのだろうか。
それとも、すぐに熱くなるこの性格から?
どちらにせよ、ジョミーは大袈裟だと思った。

「ジョミー、こっちへ来てくれないか?」
「ソルジャー・ブルー?」
若干疑問を抱きつつも、ジョミーは寝台の上に座っているブルーの元へと、歩み寄った。
ブルーの前で立ち止まる。
「―え?」
マントの下から腕が延びてきたかと思うと、その手で腰を掴まれ、ブルーの元に引き寄せられた。
突然の事にバランスを崩したジョミーは、座るブルーの膝の
上に跨がるような恰好になってしまった。
「なっ…!? ブルー!?」
ジョミーは慌ててその身を引こうとしたが、ブルーは更に手を背に回し、ギュッと力を込めた。
そして、ジョミーの胸に顔を擦り寄せ呟いた。

「ほら、とても暖かい…。太陽のようだ。」
「何を…。」
ようやく返事をしたかと思えばそれだけで、ジョミーは少しあきらめたような顔を紅く染める、それくらいの事しか出来なかった。

「―ジョミー、君は僕と出会う前から僕の太陽だったんだよ。」
「どうして…?」
「…どうしてだろうね。
ただ、もう僕らは君無しでは生きていけない。僕も、ミュウのみんなも。だからなのかもしれない。太陽は、人類、ミュウの生きる源だ。」


―『君無しでは生きていけない。』

この人はどうゆうつもりで言ってるのだろう。
だが、それを聞く勇気もなく、ジョミーは思考をブルーの話に戻した。
「じゃあ…、貴方は?」
「?」
「…僕が太陽というなら、貴方は何なんですか…?」
「……。」
ジョミーの言葉にブルーは、たしかになんだろうと考えた。
もしも、この愛しい少年を太陽と呼ぶなら自分は―…。

「…太陽を求め続ける…、地球、かな。」
僕はあんなにも美しくないけどね、と後に付け足して、ブルーは微笑んだ。
「地球…。」

貴方が地球で、
僕が太陽。


「―そんなの嫌だ……っ!」

「…え?」


急に切なくなって、思わず顔を俯けてしまった。
そして、そのまま小さく呟いた。

「……貴方と、離れ過ぎている…。」

「……!」


そう、近付く事は決してない、
いつまでもいつまでも平行線を辿る、
二つの惑星。


―僕を太陽だとか言って、求めないでほしい。

僕は、貴方のあとを継ぐために、ソルジャーとして、選ばれたんでしょう?

ソルジャーである僕らは傍に寄り添い合う事なんて出来ない。

貴方を想えば涙が出る程、
この心は貴方を求めているのに…。


「…切ないよ、ブルー…っ。」


僕のその言葉に貴方はただ、
声を失ったかのように、口をつぐむことしかしなかった。



 傍にいたい、
 傍にいられない。


》》to be continued...
 

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