□ヒバ誕(2008)
2ページ/4ページ






5月5日
桜も緑の葉に変わる頃僕は生を受けた。

今日、その日がやってきた。
哲は皆からと言って新しいスーツをくれた。ヒバードはさっき花を一本落としていった。

でも………
一番に祝って欲しい人は側にいない…………

だいたいなんでこんな時に任務を受けるんだ。
別にこの年になって祝ってもらいたいわけじゃないけど、こんな日に了平が側にいないと………

ちょっとさみしい…


結局、了平は帰ってこないまま今日が終わろとしている。
僕は縁側に座っていつでも会うことの出来てた中学時代を思い出していたあの頃はいつも一緒だったのに……


ふと時計に目をやると日付が変わるまであと五分になっていた。もう待つのを諦めその場を立ち上がると、突然部屋の襖が大きな音を立てて開いた。
そこには今一番会いたかった人の姿があった。

「すまん雲雀!!…遅くなった…!!」

息を切らしながら僕に近付いてくる了平は走ってきたようで汗だくだった。

「……遅いよ……ばか」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ