捧
□拍手文(いちか)
1ページ/1ページ
珍しく俺の部活も休みで雲雀と俺の部屋で過ごしていた。
二人きりだからといっても、特に何をするでもなく、雲雀は俺のベッドを陣取ってテレビを見ていたし、俺はといえば最近買ったばかりのボクシング雑誌を読んでいた。
つい熱中してその雑誌を読んでいたら、突然本が取り上げられた。
「な……っ!!」
驚いて顔を上げるといつの間に移動したのか、雑誌を手にした雲雀が立っていた。
「……邪魔」
そしてそのまま手にしていた雑誌を放り投げた。
「何を……」
反論しようと口を開いたが、雲雀はそれを無視して俺の前に腰を下ろし、そのまま背中を預けてきた。
俺は雲雀の突然の行動に初めは驚いていたが、よく見ると雲雀は耳まで真っ赤にしており、そんな姿がとても愛おしくなって、思わず雲雀を引き寄せて耳の後ろにキスすると恥ずかしかったのか、雲雀に怒られたが、腕の中から逃げようとする動きは見られなかったので、俺はそのまま雲雀を腕に閉じ込めたまま、二人だけの時間を過ごしていた。
天の邪鬼な君だから
このぬくもりを大切にしたい
byいちか