Novel(黒蝶)

□DVD
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俺は、陵が好きなんだ。

はっきりと自覚できた。


想いを打ち明けることはできなかった。

というか、そんな頑丈なハートはあいにく俺には持ち合わせていないから。


友達のまま俺と陵は進学し、中学生になった。

俺も陵も部活には入らなかったから、登下校を一緒にしていた。


今日も一緒に下校をする。




「おい!都貴〜?」

「っおう?!」

「お前、意識どっかにぶっ飛んでただろ?」




目の前に歩いてくる陵は、もう帰る気満々らしい。





「あぁ、ごめんごめん。っさ!帰ろう!」


「おう!」





元気よく返す返事と笑顔。

その反応だけで胸はときめく。





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