□リレー小説 5
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最初の一週間は何事も無く過ぎていった。

慣れない屋敷での慣れない仕事に、戸惑ったりはしたけど、それでも順調だった。

屋敷の人たちは、俺の協力的でそれに助けられたりしながら俺は仕事に慣れることに専念した。






「そろそろ仕事には慣れたか?」


就寝前、ディーテ様に寝間着を着せながら問われた言葉に視線を上げた。

普通に立っていても視線を上げなければならないが、服を着せるために屈んでいるので更にディーテ様が高く見える。

電灯の光に照らされた金髪がまぶしく映った。




「ええ、屋敷の皆さんがとても良くしてくれているので、順調です」

ボタンを止めながら答える。

「そうか」


ディーテ様は何事かを考えるように沈黙し、そしてその間に俺はディーテ様の着替えを完了させた。




「さあ、終わりました。どうぞベッドへ、ディーテ様」


寝台へ促し、ディーテ様の体にシーツをふわりとかける。

照明を絞り、手元くらいしか見えない程度にまで暗くした。


これで、今日一日の仕事の大半は終わる。後は、明日のスケジュールの確認などをしたらそれで本当に仕事は終わる。




天蓋付きの寝台の薄い布のカーテンを引き、部屋と寝台の中とを隔てた。
俺は闇の中で深く礼をした。



「それではディーテ様、おやすみなさいま」



最後まで言えなかった。突如寝台の奥から伸びてきた手に腕を取られそのまま引きずり込まれたからだ。



倒れこんだ寝台のスプリングがぎしりと鳴る。
慌てて起き上がった間近に、ディーテ様の顔があった。暗闇でも見える金糸の髪や青い目に無意識に息を詰める。



「あ、の…ディーテさま?」



なんでしょう?と困惑しながら首を傾げると薄く笑う声がした。


「お前、皆からはなんと呼ばれているんだ?」

「え?」
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