S†TORY
□君がくれた大切な物
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オレンジ色の光が、窓の外から自室を照らす。
ベットの横に膝を抱えて座りこみ、目の前にある写真立てをじっと見つめる…。もう、遠い昔のことのように感じるが、その写真を撮ったのはつい半年ほど前のことだった。
たった半年の間に、自分の周りは大きくかわり、写真の中の時間には、もう戻れないと知る。
どんなに戻りたいと願っても、もう彼は帰ってこないのだ…。
「トール…」
ミリアリアは、今はもうこの世に存在しない、愛しい恋人の名をつぶやいた。
もう、彼はいない…
込み上げる涙を隠すように、そっと俯く…