S†TORY
□Rain
1ページ/14ページ
『雨が降ったら休めばいい』
プラントには、自然に雨は降らない…。
決まった日に、決まった時間に、その恵みはやってくる。
それでも、頭上から降り注ぐ雫を感じる度に彼女の言葉を思い出す。
今ここに彼女はいないけれど、辛いことがあるたびにそういって笑った笑顔に、今も救われる自分がいる。
雨が降るたびに…。
…………………†
『Rain』
定刻通りに目が覚めても、すぐに頭は覚醒しない。
霞がかかる視界を、ゆっくり窓の外に向けると、予報にはなかった雨が窓を打ち付けていた。