chocolates

□廃れた街の真ん中で
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天人が来て戦場になった地面を歩く。そこらじゅうが血で染まり死体が沢山転がっている。
そんな中を歩く。生きるために仏の懐を探るのだ。
餌食になる仏さんは侍と散った人間が多い。天人のも探りはするが訳のわからない物ばかりで使えない。
「なんだ、生きてんのか」
次に被害者になる仏さんは生きていた。生きているから仏でもないが。
「安心しろや、クソガキ。もうすぐ死なぁ」
「生きてんじゃん、」
「だからもうすぐ、」
「あんたまだ生きてンじゃんか」
1時間すりゃ死ぬような体でもない。生きてんだから死なないだろう、
「それとも死にたいのか?」
血まみれで転がる青年の顔を覗き込む。
「てめぇ、ムカつくガキだな」
例え血まみれでぶっ倒れていようが腕も足も首もついた満足な体だ。綺麗なツラした侍が

廃れた街の真ん中
死ぬには惜しいと
考え


「動けんだろ?」
「ムカつくガキだ、」
今まで死ぬ気でいたのにこれじゃあ死ねやしねぇ。それどころか死にたいと思ってたことを否定したくなる。
痛む腹筋で体を起こすと腕をひいてくる。
「あたしの前で死ぬんじゃないよ、目覚めの悪い。」
「うるせぇ、まだ生きてらぁ」


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