過去ログ

□理想の恋人
1ページ/1ページ

朝起きたら、まずはキス。

「お早う、ダーリン」

「ん、ハニー、今日も可愛いね」

僕の言葉に頬を赤く染めちゃったりして。
もう食べちゃいたいくらいに可愛い。

ご飯を食べるときはもちろん。

「はい、あーんして」

「あーん。うん、おいしい!なんでセブルスの作る料理はこんなにおいしいのかな」

「だって、ジェームズに食べてもらうものだから…」

上目遣いで見られると、うっかりベッドに逆戻りしたくなってしまう。

怪我なんてした日には。

「ジェームズのバカッ!そんな怪我して帰ってくるなんて…ジェームズにもしものことがあったらもう生きていけないんだから!!」

「ごめんよ、ハニー。ほら、もう泣かないで?僕は君の笑ってる顔が好きだな」

涙に暮れる恋人を泣き止ませようと努力する僕。
そしたらセブルスは真っ赤になりながらこう言うんだ。

「……てくれなきゃヤだ」

「え?」

「キスしてくれなきゃヤだ!」

「セブルス…!」

泣きながら怒ったようにキスをせがむ恋人なんて最高だろう。
男冥利に尽きるってもんじゃない。

でも、現実は厳しいね。

「失せろ、この大馬鹿野郎」

「寝言は寝て言え」

「馬鹿は死ななきゃ治らないらしいぞ。いっぺん死んでみるか、ジェームズ?この僕が喜んで手助けしてやろうじゃないか」

悪態の嵐。
これだけぼろくそ言われるなんてある意味僕ってすごいと思う。

理想とはほど遠い現実。
でもさ、どっかの斧を湖に落としたおとぎ話みたいに、あなたの恋人はどちらですかって聞かれたら、僕はきっと。
少しも迷わずに答えを返せる自信があるんだ。



あ、セブルス見っけ!僕もう行かなきゃ。セブルスー!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ