過去ログ
□理想の恋人
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朝起きたら、まずはキス。
「お早う、ダーリン」
「ん、ハニー、今日も可愛いね」
僕の言葉に頬を赤く染めちゃったりして。
もう食べちゃいたいくらいに可愛い。
ご飯を食べるときはもちろん。
「はい、あーんして」
「あーん。うん、おいしい!なんでセブルスの作る料理はこんなにおいしいのかな」
「だって、ジェームズに食べてもらうものだから…」
上目遣いで見られると、うっかりベッドに逆戻りしたくなってしまう。
怪我なんてした日には。
「ジェームズのバカッ!そんな怪我して帰ってくるなんて…ジェームズにもしものことがあったらもう生きていけないんだから!!」
「ごめんよ、ハニー。ほら、もう泣かないで?僕は君の笑ってる顔が好きだな」
涙に暮れる恋人を泣き止ませようと努力する僕。
そしたらセブルスは真っ赤になりながらこう言うんだ。
「……てくれなきゃヤだ」
「え?」
「キスしてくれなきゃヤだ!」
「セブルス…!」
泣きながら怒ったようにキスをせがむ恋人なんて最高だろう。
男冥利に尽きるってもんじゃない。
でも、現実は厳しいね。
「失せろ、この大馬鹿野郎」
「寝言は寝て言え」
「馬鹿は死ななきゃ治らないらしいぞ。いっぺん死んでみるか、ジェームズ?この僕が喜んで手助けしてやろうじゃないか」
悪態の嵐。
これだけぼろくそ言われるなんてある意味僕ってすごいと思う。
理想とはほど遠い現実。
でもさ、どっかの斧を湖に落としたおとぎ話みたいに、あなたの恋人はどちらですかって聞かれたら、僕はきっと。
少しも迷わずに答えを返せる自信があるんだ。
あ、セブルス見っけ!僕もう行かなきゃ。セブルスー!