自己中小説

□鏡王子
1ページ/10ページ



『鏡よ 鏡 … この国で一番のコウルワンジャはヌグヤ?』


鏡をみながら頭を直すドンワンが自信満々にいう。


- …確かにあなたはコウルワンジャです。だけどこの国にはもう一人コウルワンジャがいます-


信じられないといった表情で怒りに震えたドンワンが鏡に問う。


『…ヌグヤ?』


- …それはあなたもよく知っている歌が上手くて…-


『(俺の他にもコウルワンジャがいるなんて しかも歌が上手いなんて)ヌグヤ!!!!!』


鏡の答えにイライラしたドンワンが声をあらげる。


- …それは“ピルギョ”です-


『…ピルギョ? …ってもしや…“ヘソン”?』


- …そうです。あなたのよく知っているあの“シン ヘソン”がこの国のコウルワンジャです… -


『そんなのウソだ!!!』


ドンワンはもう一度、鏡に向かって聞きなおす。


『鏡よ 鏡…』


だが何度鏡に聞いてみても鏡のこたえは“ヘソン”としか言わなかったのだった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ