自己中小説
□鏡王子
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『鏡よ 鏡 … この国で一番のコウルワンジャはヌグヤ?』
鏡をみながら頭を直すドンワンが自信満々にいう。
- …確かにあなたはコウルワンジャです。だけどこの国にはもう一人コウルワンジャがいます-
信じられないといった表情で怒りに震えたドンワンが鏡に問う。
『…ヌグヤ?』
- …それはあなたもよく知っている歌が上手くて…-
『(俺の他にもコウルワンジャがいるなんて しかも歌が上手いなんて)ヌグヤ!!!!!』
鏡の答えにイライラしたドンワンが声をあらげる。
- …それは“ピルギョ”です-
『…ピルギョ? …ってもしや…“ヘソン”?』
- …そうです。あなたのよく知っているあの“シン ヘソン”がこの国のコウルワンジャです… -
『そんなのウソだ!!!』
ドンワンはもう一度、鏡に向かって聞きなおす。
『鏡よ 鏡…』
だが何度鏡に聞いてみても鏡のこたえは“ヘソン”としか言わなかったのだった。