種 小 説
□大人の階段
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「俺達は止めたんですよ!でもシンが…」
「俺がなんだって〜ぇ?」
シンはヨウランに掴みかかった。
「この状態じゃ、レイがいる部屋には連れていけなくて…」
ヴィーノが泣きそうな声で言った。
「シン…やめるんだ」
俺は少し呆れながら、ヨウランに絡んでいるシンの腰を抱えて引き戻した。
「なに〜ぃ?アスランまで、この可愛いシンくんをいぢめるのか〜ぁ」
シンの腕が俺の頬を殴った。
「痛っ…二人とも…すまなかったな…後は俺が…何とかするから」
腕の中で暴れるシンを抑えながら、二人に言った。
「いえ…じゃあ、お願いします」
ヨウランが言うと、少し後ろにいたヴィーノがペコリと頭を下げ、自室へ戻って行った。
「さて…どうするか…」
俺が困っていると、腕の中で暴れていたシンが急におとなしくなった。怪訝に思って見下ろすと、シンは俺を見上げていた。