遙か小説
□誘い〜いざない〜
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「フフフ…無様だな…地の玄武。イクティダール」
アクラムが呼ぶと、銀色の焔と共にイクティダールの姿が現れ、アクラムの前に跪いた。
「お呼びですか、お館様」
「龍神の神子を連れて行け…」
「御意に…」
あかねのいる水晶玉がはじけた。
「泰明さん!!泰明さんっ!!」
あかねはイクティダールに抱えられ、銀色の焔の中に消えていった。
「さて…邪魔者はいなくなった…」
「神子をどうする気だ…」
「さてな…今頃は星の一族の館に戻っているのではないか…?」
「フッ…戯れ言を…」
「今日は龍神の神子ではなく、地の玄武、お前に用があったのだ」
「くだらぬ…お前に用などない」
泰明は水晶玉を割ろうとした。
「そう焦るな…少しお前に興味があるのだ…」
アクラムはそう言うと、泰明のいる水晶玉に入った。
泰明は迫り来るアクラムに術を放つ。
「…そう言うことか…」
泰明の放った術は水晶玉に吸収された。
「フフフ…この水晶は私の結界。術はつかえぬ…」