種 小 説
□再戦
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「よし。準備は完璧!!あとは明日までアスランにバレないようにここに隠して…と」
去年、アスランの誕生日を知らずに何も出来なかったことを、シンは一年間ずっと気にしていた。
今年こそは最高の日にしたいと、シンはアスランに内緒で1週間も休みを取り、密かに準備をしていた。
プレゼントを隠し終えたシンは、あえて何の印もしていないカレンダーに目をやる。
「アスランは明日も仕事だったよな」
アスランは今、オーブを再び花で満たしたいというシンの思いを汲んで、花屋で働いていた。
花屋は割と忙しいらしく、朝はシンより早く家を出て、帰宅もシンより遅い。そのためこの数日、シンが仕事に行っていないことが、アスランにバレることはなかった。
「アスラン驚くかな。驚くよな。えへへっ」
シンはアスランの驚いた顔を思い浮かべ、一人ニヤニヤと笑った。
あと数時間でアスランの誕生日になる。
「今年こそ、最初に『おめでとう』って言うぞ〜!!」
シンは張り切っていた。