種 小 説
□独りの休暇
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「ん…シン…?どうした…?あぁ…もう朝か…」
俺がベッドから出るとアスランが話しかけてきた。
「あっ…すみません。起こしちゃいましたね」
「いや、構わないよ…出かけるのか?」
手早く服を着る俺を見て尋ねる。
「ヨウランに買い物頼まれてて…あいつ足がないから」
「バイクか…危ないな…俺が車を出そう」
アスランはそう言うと、ベッドから出ようとした。
「あ〜いいですって。バイクならすぐだし、アスランは昨日も会議とかで疲れてるんだから、まだ寝てて下さいよ。俺、とっとと行ってきちゃうんで…」
俺はアスランをベッドに押し戻した。
「だが…」
「いいから、もう一眠りしてて下さい。俺、その間に帰ってきますから」
俺はアスランにキスをして部屋を出た。
「あっ…そうだ」
俺はドアから顔を出した。
「おとなしく待ってるんですよ。俺がいないからって泣いちゃダメですよ」
「ば〜か。本当に気をつけろよ」
「はい、じゃ!!行ってきます」
俺は急いで工廠に向かった。
工廠脇に置かせてもらっているバイクに跨ると、街に向けて走り出した。