種 小 説
□通過点
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レイがレクリエーションブースで本を読んでいると、通路を躯を引きずるように歩く人影が目に入った。
不審に思ったレイはその人物を追い、声を掛けた。
「ザラ隊長。どうされたんですか?」
「いや、何でもないよ…」
その声は明らかに掠れていた。
「医務室に行かれたほうがよろしいのでは…?」
「いや…大丈夫だから」
アスランはそう言うとまた歩き出した。
レイがその姿を見送っていると後ろから声を掛けられた。
「私見ちゃった、隊長が議長の部屋から出てくるとこ。キスされてたわよ」
ルナマリアは何故か楽しそうに話していた。
『まさか!!隊長がギルと…!?』
「…レイ?ちょっとレイ!!聞いてるの!?」
レイはルナマリアの声で現実に引き戻される。
「二人で何してたんだろうね…」
「さあな」
ルナマリアの質問に、レイはいつものように素っ気なく答えた。
『確かめなくては…』