種 小 説

□始点
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レイは議長を捜し、鑑内を歩き回っていた。

『…ギル…』

途中で会ったシンにも聞いてみたが、彼も議長の居場所は知らなかった。




「じゃあ、そういうことで、よろしく頼むよ」

「はい。お話、了承いたしました」

艦長室の近くを通りがかった時に話し声が聞こえ、レイは慌てて声のする方へ駆け寄った。

声の主は、廊下を走ってくる人影に目をやる。

「やあ、レイ。では艦長、失礼するよ」

「はい」

議長はレイに向かってへ歩みを進めた。

レイは艦長に敬礼をすると、議長について歩き出す。

「こんな所で、どうしたのかい?」

「…いえ」

レイが答えられないでいると、議長が優しく囁いた。

「…私を捜していたのかな?」

レイは議長の顔を見上げる。その顔は真っ赤に染まっていた。

「では、何か用があるのだね。私の部屋で構わないかい?」

レイが黙って頷くと、議長はレイの腰に手を回し、滞在中のホテルの部屋までエスコートした。
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