種 小 説
□闇に堕ちた天使
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ある日俺は議長に呼ばれ、プラント本国にあるホテルの一室に来ていた。
「議長はまもなく戻られますので、こちらでお待ち下さい」
案内された部屋はプレジデンシャルスイートで、このホテルの最上階にある。
俺は広すぎる室内に少し戸惑いながら、近くにあるソファーに腰を下ろした。
が、何もかもが煌びやかでどうにも落ち着かず立ち上がった時ドアが開いた
「やあ、アスラン。待たせて悪かったね」
「いえ」
俺が敬礼しながらそう答えると、議長は微笑んだ。
「今日はそういう堅苦しいのは抜きにしよう。とにかく、座らないか?」
「失礼します」
「直ぐに食事を運ばせよう」
議長が部屋の隅にいた男に目で合図をすると、男は部屋を出ていった。
「さて、今日、君に来てもらったのは、一つ君に聞いておきたいことがあってね。アスラン、君は『FAITH』をどう考えているのかな?」
「『FAITH』を…ですか?」
あまりに漠然とした問いに、直ぐに答えることが出来なかった。