種 小 説
□誓い
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「シン、今から一緒に来てくれないか?」
久しぶりにプラントに戻り、つかの間の休日をもらった後、俺はシンに訊ねた。
「…いいですけど…何ですか?」
あからさまに嫌そうな顔をする予想通りの態度に、俺は笑いを堪えながらシンの手を掴んだ。
「いいんだな。じゃあ、行くぞ」
「え〜っ!!今すぐにですか〜?」
「俺は最初にそう言ったぞ」
「…」
膨れるシンの手を引き、更にこみ上げる笑いを抑えながら歩いた。
「さあ、乗って」
「車ですか!?アスランさん、免許持ってるんですね」
シンが尊敬の眼差しで見る。
「シンはまだ取ってないのか?」
「はい…戦争に巻き込まれたままザフトに入っちゃったんで…」
シンの瞳が微かに潤んだ気がした。
「…そうか…俺がいつでも乗せてやるから」
「ホントですか!!」
「あぁ、だから泣くな」
「っ…泣いてないですよっ!!」
「…ならいいが…それと 二人きりの時は『アスラン』って呼べって言っただろ」
助手席のシンの耳元で囁き、耳朶にキスをする。