コルダ小説
□灼熱の狂詩曲
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星奏学院の修学旅行は二年生に一週間の予定で行われる。
柚木、火原ら二年生と引率の金澤は今、南の島に来ていた。
コンコン……
金澤は静かにとある部屋のドアをノックした。
少し待っているとドアが開く。その隙間から柚木が顔を出し、訪問者が金澤だと分かると軽く微笑んだ。
「……どうだ、様子は」
「あまり良くありませんね……」
金澤の言葉に、途端に柚木は神妙な面もちになる。
「ちょっと入るぜ」
金澤は部屋に上がると、ふすまを開け中に入り、敷かれている布団の横に座った。
「金、やん……」
火原が物音に気づき目を開けた。
「随分と苦しそうだな」
「ええ、熱が引かなくて……」
後ろに立っていた柚木が心配そうに答えた。
火原は顔を真っ赤に染め、苦しそうに胸を上下させている。
金澤が火原の額に手を乗せると、火原は泣きそうな瞳で金澤を見上げた。