遙か小説
□退廃の遊戯
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ある夜。
弁慶は躯の熱を処理するため皆から離れ、宿の近くの暗がりに身を潜めていた。
「はあ…もうっ…」
弁慶は地面に跪き、袴を下ろして熱の塊を擦り上げていた。
「ああっ…こんなのでは…足りないっ…」
弁慶は行為に熱中していた。
ガサッ…
「…なんだ弁慶か。そんなとこで何してんだ?」
弁慶はその声にビクッと震え、慌てて外套で躯を隠した。
「将臣くん…でしたか…驚き…ましたよ」
弁慶は平静を装ったが、上がった呼吸は押さえることが出来なかった。
「こんなとこで何してんだ?」
将臣は低い声で、もう一度弁慶に尋ねた。
「なんでもありませんよ」
弁慶は微笑を浮かべながら、外套を手繰り寄せる。
将臣は弁慶の素振りに疑問を感じ、弁慶に近づくと外套を脱がせた。
「っ…!!」
弁慶は慌てて躯を隠した。瞬間、将臣が見たものは弁慶の剥き出しの下半身と、そこにそそり立つ熱の塊だった。