遙か小説
□火蛾の如く
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「やっと見つけたぜ…将臣」
将臣が口を開くより先に、知盛が話しだす。
「知盛、お前こんなところで何してやがる!?」
将臣は知盛を睨んだ。
「ずいぶんだなぁ。お前に逢いにきたに決まってるじゃないか…」
「…っ。ふざけるな。あいつらに手出しはさせねぇ」
「ククッ…『お仲間』がそんなに大事か?」
知盛は薄笑いを浮かべていたが、突然、将臣の顎を掴み、後ろの木に将臣の躯を叩きつけた。
「う…っ」
「俺に黙っていなくなった上に、その言いぐさとは…いい度胸だ」
知盛は顎を掴む手に力を込めた。
「俺は嫉妬深いんだ。忘れたのか…?」
知盛は将臣の唇を強引に塞ぎ、胸当ての下に手を滑り込ませる。
「んーっ!!やめ…っん」
将臣は知盛の躯を押し返そうとするが、知盛の力にはかなわなかった。
知盛は慣れた手つきで将臣の素肌を撫で回していたが、胸の突起を捉えると、指先で摘んだ。