遙か小説
□再会
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「敦盛、元気にしてたみたいだな」
河原に一人で座っていると、あなたが話しかけてきた。
懐かしく、愛しい声…
「ええ…」
そう答えるのが精一杯だった。
「戦場で行方不明になって、心配したんだぞ」
「え…っ?」
あなたが…?
私を…?
「え?じゃねぇだろ。普通、仲間がいなくなったら心配ぐらいするだろが」
そういう意味か…
「申し訳…ない…」
「まぁいいさ。とにかく無事だったんだからよ」
「将臣殿…」
「またしばらく一緒だな。よろしく頼むぜ」
「いえ…私の方こそ…」
あなたと共に過ごす日々…
平家とあなたを裏切ったあの日から、再びこんな日が来ようとは思いもしなかった。