しりあす?
□青色グラフ
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自分は今怒られているはず…?だが、水谷の口調は優しかったし、時々くすくすと笑ったりもする。三橋にはワケが分からない。
「もうメシ食った後?」
「は、はい」
「また!」
「うぅ…」
縮こまる三橋。その一挙一動を見ていた水谷。その顔がゆるむ。ゆるみついでに勢いで。
「よかったら俺と屋上デートしませんか?」
今度は水谷が敬語になった。
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(で、デートって、水谷っくんは、言った…。これから、デートっ、なんだ!)
廊下を渡り階段を上る最中、三橋はずっとドキドキしていた。
屋上の扉の前まで来ると、先行していた水谷がすっと身をひいた。
「三橋からどーぞ。レディーファースト♪」
「…お、れ、おんな、じゃない、よ!」
「クククっ。ごめんね、立派な男の子だもんねー、三橋は」
「むぅ…」
からかわれている様な気がして、むくれる三橋。
それに少し慌てる水谷。
「いや、ウソじゃないってば!三橋は投げてる時、サイコーにかっこいいよ!」
褒められて心臓がひどくはねあがる。そんな三橋をよそに水谷はドアノブに手を伸ばした。
「どうぞお入り下さい、お姫さま」
また女扱いされたというのに、もう気にならなかった。