しりあす?

□コレクタブルデイズ
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阿部は悶々としていた。

「これはもう言うしかねぇ…、言うしかねぇよっっ!!!!」

ここ最近同じ事を考え続けて阿部の頭は沸騰寸前だった。煮つめて煮つめ抜いた末、出た答えは。

「この弾けそうなラブっっ、三橋にぶつけるしかねぇ!」
だった。



いつからだろうか、と阿部は思い返す。
人と目を合わせるのが苦手なはずの三橋が、一生懸命阿部の顔を見て話す様になった頃からだろうか。
いや、その前に人知れず努力を積むひた向きさにやられていたのか。
そもそも初めからイライラさせられていたのは気になっていたからかもしれない。

いつのまにやら三橋がかわいくてしょうがなくなっていたのだ。

恋は盲目、とは言ったもので。真剣に阿部のサイン通りに頷く姿、おにぎりを頬張るあの心底幸せそうな顔、話す時の少しはにかんだ様子…三橋の一挙一動全てが愛しく見えて、思わず抱き締めそうになったことも多々あった。鼻血は気合いで止めた。

そんなこんなでどうにも止まらない阿部。もうひたすら告白パターンを練る日々であった。



「ま、定番は『結婚を前提に俺と付き合ってください!』だよな」
唐突な阿部の呟きに。

ぶっっ。
水谷は思わず飲みかけのお茶を吹いてしまった。
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