お題消化
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『社会人が女子高生に手を出したら犯罪なのよッ!!』
夕食の片付けを終え、静雄と二人でまったりとテレビを聞き流していた時、コメディー色の強いドラマの台詞が室内に突き刺さった。
「………………」
「………………」
お互い、ピタリと動きが止まり、居心地の悪い間が生まれる。
静雄は社会人で、私は高校生。
勿論、私達の関係には何らやましい事は無く、確かな愛情の元に繋がっていると言う自覚もある。
しかし、たかだか5〜6歳の年齢差が、片方が『高校生』であると言うだけで、後ろめたい事をしているような感覚を与えるのだから不思議だ。
「………はぁ…」
静雄はスッとテレビから視線を外し、思い詰めたように溜息を吐き出す。
割と理不尽な事でキレる彼だが、基本的に根が真面目なので、歳の離れた私と付き合う上で色々と気にしている事は知っていた。
些細な事だが、自分が『子供』なせいで静雄を悩ませたくない私は、慌てて言葉を紡ぐ。
「っ、大丈夫ですよ!私達は合意の上だし、静雄さんはちゃんと大事にしてくれてるし、真剣に愛し合ってるんですから、気にする事なんて何もないです!!」
「…………」
ギュッと静雄の手を両手で掴み、真っ直ぐ見上げて告げると、静雄は表情をつけずにじっと見据える。
不意に、軽く息を吐くと同時にフッと表情を緩め、空いている方の掌でわしゃわしゃと私の髪を掻き回した。
「…それもそうだな。気にしてたってしょうがねぇし」
「これじゃ、どっちが年上か分かんねぇな」と苦笑する彼につられるように、私も照れ臭さを滲ませながら微笑んだ。
弱点