S.STORY

□Strawberry kiss
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ぐいと後頭部を引き寄せられて口接けられた。


合わされた口角を開けろと言わんばかりに舌先で突かれる。応じて薄く開くと口唇を割ってするりと舌が忍び込んで来た。


含まされたそれはまるで昔食べた覚えのある苺ゼリーのようだと、ふいにそんな考えが頭を過る。


滑らかな舌触りと弾力。


但し、ゼリーとは決定的に違うところがあった。それはつまり……自らの意志を持って蠢くこと。

逃げる舌を捕まえて絡め取り吸い上げる。突き抜けるような痺れは脳まで届いて軽い眩暈を感じた。



「……月くんの口唇は苺のようです。熟れて紅く、触れると柔らかく水分を含んでいて甘い」


口接けの合間の囁きにライトも口を開く。



「それ……」

先程脳裏を過った感触を言いかけたが、はっと思い留まった。



なんと言う? ベロが苺ゼリーのようだ、なんて――…



あまりに恥ずかしくて言えない……!


「どうかしましたか?」


言い淀んで黙り込んだライトを怪訝に伺った。


「――…いやッ…なんでもないッ――」


ふるふると首を振って否定した。



「――――……そうですか」

そう言ったエルが納得したものだと内心安堵したのも束の間、次には後悔に打ち拉がれることになった。


「私、黙秘する相手を自白させるの結構得意ですよ?」


にんまりと口の端を楽しそうに上げて言ったエルとは対照的に、瞳に憔悴を滲ませたライトが言葉を失くしていた。




†END†



寸止めごめんなさい(笑)この後、自白するまで何が起こったかは想像にお任せ♪きゃは☆

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