金色のガッシュ!!
□二人の秘密
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「さて、どれがいい?」
清麿をある一室に連れて行ったアポロが爽やかな、けれど捕らえ所のない笑顔で指した物は色とりどりの女性ものの服だった
「………アポロ、これは?」
「服だよ。今度うちの会社から新しいメーカーを立ち上げてね。その試作品さ」
何枚かアポロが手に取り上げたものはフリルの多い可愛い系から大人びたタイトなもなど多種多様にあった
しかし・・・どれも女性物
「あのさ、俺――」
飽きれて口を開いた清麿だったがそれを遮るようにアポロの手が清麿の両腕を塞いだ
「アポロ?」
「女の子、だろ」
「――――え……」
「こんなに胸を圧迫したら身体に良くない。特に清麿は今成長期なんだ」
「ちょっな、やめっッ」
慌てる清麿を余所に破れたいつものYシャツのボタンを外すとそこにはサラシの巻かれた
胸部があらわれた
「始めは清麿がどうして男の真似をしてるいのか気になったけど、少しずつ清麿の心や記憶が見えた時分かったよ。でももう必要ないだろ?清麿には仲間が出来た。もう強がる必要はないんだ」
全てを知っている口振りのアポロ
「みた、のか?」
「いくら自分の力をある程度コントロール出来ても、見える時があるんだ」
アポロの特殊な力
危機を察知するものの他にも相手の心が少しだけ読める力もあった
「………いつから、だよ」
「初めて会った時から」
清麿の問いにアポロが答えると俯いていた清麿の身体から力が一気に抜け、そのまま壁伝いに座り込んでしまった
「ガッシュしか知らないみたいだね」
「あぁ。流石に同じ家にいて隠し通せなかったし」
「どうして男の真似を?」
「別に。誰も気付かなかっただけだし……中学入って少しした時、髪、切って、ただそのまま」
瞳を臥せぽつりぽつりと言う清麿
「女でいると、不便だったんだよ。下らない同情で近付いて来て、勝手に見返り求めてきやがって。どっちにしろ敵なら、誰もいない方が良かったんだ」
清麿が語るのはガッシュと出会う前の苛められていた時の話
良過ぎる頭を持った為にクラスから浮き、苛められていた
「そっか……。でも、もうその必要はないだろ?」
「何か、今更女に戻るのも変な感じしてさ」
臥せていた瞳を上げはにかむ清麿の顔にアポロは胸が締め付けられる思いをした
何て………儚いのだろう
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